ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
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 日本製 強姦の疑似体験ゲームと性的暴力の標準化について
(イクオリティ・ナウ 女性アクション33.1)

 「レイプを正当化し、女性をモノ化し、快楽として楽しむゲームがある社会は許せない!」

あらすじ

 12歳くらいの女子生徒が、電車で通学しています。彼女の跡をつけていた男が、彼女のからだをまさぐり、痴漢行為をします。やがて電車は駅に止まり、彼女は恐ろしくて公衆トイレに逃げ込みますが、男は追いかけていき、彼女に手錠をかけレイプをします。男は彼女を捕虜にして、あちこちでレイプを繰り返します。彼女の母親と10代の姉も同じ運命をたどります。この母子がレイプの標的にされた理由は、この男が以前別の女性に対しておこなった強姦未遂を姉が警察に通報したため、それに報復することでした。これが、日本でイリュージョン社によって製作され、アマゾンなどで売られているレイプの疑似体験装置、パソコンゲーム「レイプレイ」の粗筋です。

資料:CNNが報じたレイプレイ問題のニュース動画(Youtubeより引用)

クリックで再生します。

背景

 海外では「ヘンタイ」という名で知られた、マンガ形式の過激なポルノグラフィは、コミック本、アニメ、パソコンゲーム、インターネット上の娯楽といった多様なメディアで存在し、日本では簡単に入手でき、その使用は広く許容されています。「ヘンタイ」に共通にみられるテーマは、レイプ、集団レイプ、近親姦、そして女子生徒の性的虐待である。子どもを性的な対象にした「ヘンタイ」は「ロリコン」として知られていますが、教師などのおなじみの権力的地位にある大人によって性的に虐待される少女を描くことが多いです。女性や子どもに対するレイプやセクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為を含むパソコンゲームは日本で多数生産され続けているが、それは、ほかの形態のメディアの「ヘンタイ」よりもユーザーに与える影響力が強い。というのは、例えば「レイプレイ」がそうであるように、ゲームのプレーヤーが、レイプと性的攻撃を疑似体験するために発生する出来事を画面上のペニスと手を操作することによってコントロールできるからです。

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ゲーム内容

 「レイプレイ」というゲームの目的は、母と二人の娘がレイプを「喜び」始めるようになるまで、プレーヤーにレイプを繰り返させることにあります。プレーヤーはまず、画面上の手を操作して電車に乗った女性や少女を性的に攻撃します。このような電車内での女性への性的攻撃が東京の実生活における現実に酷似している事実には困惑を覚えます。20代と30代の女性の64%が公共交通機関で痴漢被害にあったことがあるという調査結果を受けて、2005年に東京都は女性専用車両を導入せざるをえなくなりました。回答者のほとんどが、過去一年間に複数回痴漢されたことがあると答えています。「レイプレイ」では、母と娘が徐々に行き詰まり、結局恐怖から人気のない場所に逃げ込むまで性的攻撃が続けられ、プレーヤーはその人気のない場所でレイプを疑似体験することができます。娘は二人とも処女で、最初のレイプのときに男のペニスに血が付着し、処女膜が破られたことまで表現されています。

 プレーヤーは、母と娘を画面の上でレイプしたあと、レイプの筋書きをいっそうコントロールできるようになります。そして集団強姦を含む多種多様な性的攻撃にさらし、彼女たちが性的攻撃に屈服して、自分をレイプしてくれと強姦犯に懇願するようになるまで、彼女たちを「レイプをつうじて調教」しなければなりません。レイプを続けるうちに母と娘が妊娠する可能性が増大するが、しかしプレーヤーは母子に中絶を強制しなければならず、もし中絶させられなければ娘の一人にプレーヤーが刺し殺されることになります。ここでもまた、暴力を性的なものにする手法がとられています。イリュージョン社はまた、無料でダウンロードできるバージョンも提供しており、そこには母と娘たちが独房で性的拷問を受ける描写や、とりわけ残虐な強姦を上の娘が受けるシーンを拘束された母と妹が強制的に見せつけられるシーンなどが含まれています。

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問題点

 日本で女性の性的モノ化に歯止めをかけるための活動を長年行なってきた団体「ポルノ・買春問題研究会」は、女性を集団レイプするアダルトビデオが市場に流通することさえ容認している政府を啓蒙することは困難であると話しています。児童ポルノはようやく1999年児童買春・児童ポルノ処罰法で禁止されたものの、パソコンゲームのポルノは同法の児童ポルノの定義に該当しないため野放し状態になっています。

 日本政府は、女性差別撤廃条約を1985年に批准し、政府の条約遵守を審査する最新の定期報告書を2003年に女性差別撤廃委員会へ提出しました。日本政府は報告書で、「夫またはパートナーの暴力、性犯罪、売買春、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為は、女性の人権の深刻な侵害である」ことを認めました。しかしその一方で女性差別撤廃委員会は、日本のストーカー行為規制法がストーカーを「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情……を充足する目的」の行為、あるいは「それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」の行為と性格づけていることに懸念を表明しました。そのような性格づけは「ヘンタイ」に広くみられるものだからです。その一例が日本でヒットした『レイプマン』というコミック本であり、それは夜な夜なレイプマンという“スーパーヒーロー”に変身する男性教師が主人公で、女性にふられた男性の恨みを晴らしたり、男性をふった女性を“懲らしめ”たりするためにレイプマンが女性をレイプしてまわるというストーリーです。

 女性差別撤廃委員会は、「女性に対する暴力」に関する一般的勧告第19号において次のことを明示ました。「ジェンダーに基づく暴力は、女性が男性との平等を基礎にして諸々の権利自由を享受することを著しく困難にする差別の一形態である」。とりわけ委員会は次のコメントをした。「女性を男性の従属物とみなし、定型化された役割を割り当てる伝統的態度は、暴力と強制をともなう社会的慣行を広範囲にわたって永続化します。……そうした偏見や社会的慣行は、ジェンダーに基づく暴力を女性保護の一形態として、あるいは女性をコントロールする方法の一形態として正当化するおそれがある。……そのような伝統的態度はまた、ポルノグラフィが増殖するのを助長するし、女性を個人としてではなくセックスの対象物として商業的に搾取する表現やその他の産業を促進するものでもあります。そしてそれがまたジェンダーに基づく暴力を助長することになっています」。

 日本政府は、女性差別撤廃委員会への報告の審議において、「メディアにおいて女性たちが性の対象、あるいは暴力の対象として描かれること」は、性別固定観念に「大変大きな影響をもつ」ことを認めた。女性差別撤廃委員会はそのような女性の固定観念と「女性と子どもへの暴力が蔓延していること、被害者が公的機関の援助を求めるのに明らかに消極的であること」に懸念を表明しました。委員会はまた、「強姦に対する処罰が相対的に軽いこと」にも注意を促しまし。裁判で強姦を認定するさい、女性が実際に性交に合意していたかどうかではなく、多くの場合、加害者がどの程度暴力を行使したか、および/または被害者がどの程度抵抗したかを裁判官は調べます。

 日本は、女性差別撤廃条約第5条に基づき次の義務を負っています。「両性いずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、男女の社会的及び文化的な行動様式を修正すること」。それに加えて、日本国憲法第14条は法の下の平等を定めると同時に「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と規定しています。「レイプレイ」のようなパソコンゲームは、女性に対する暴力を永続化する態度と固定観念を容認する。日本政府は、そうしたゲームの氾濫を放置するのではなく、女性の平等を妨げるそのような態度と社会的慣行を克服する有効な措置を取るべきであります。

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行動の勧告

 イリュージョン社に対して、「レイプレイ」をはじめレイプやストーカーなどの性的暴力をテーマにしたり、女性の尊厳を貶めたりするすべてのゲームの販売をただちに中止するよう求める要請文を送ること。その際、すべての企業が、誠実な商慣習として、自らの活動が社会に対して与えうる負の影響や公共的な利益を考慮する義務を負っていることを提起することを望みます。同様の要請文をアマゾン日本にも送ってください。また、以下の日本政府の当局者に対して、女性差別撤廃条約と日本国憲法によって課せられた女性差別を撤廃する義務、とくに「レイプレイ」のように女性と子どもへの暴力を標準化し助長するパソコンゲームの販売を禁止する義務を果たすよう求める要請文を送ってください。

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送付先

〒221-0822 横浜市神奈川区西神奈川1-10-1 HIビル3F
株式会社アイワン(イリュージョン社)
吉村禎社長
(2009年現在「ソフ倫」こと「財団法人コンピュータソフトウエア倫理機構」の役員に上記会社の社員が在籍。)

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-15-1
アマゾンジャパン社
ジャスパー・チャン社長
電話: 0120-999-373

〒100-0014 東京都千代田区永田町2-3-1
麻生太郎総理大臣
電話: 03-3581-0101
ファックス: 03-3581-3883
こちらから送付できます: http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html

〒100-8977 東京都千代田区霞が関1-1-1
森英介法務大臣
電話: 03-3580-4111
ファックス: 03-3592-7393
電子メール: webmaster@moj.go.jp

〒100-8914 東京都千代田区永田町 1-6-1
小渕優子内閣府特命担当大臣(少子化対策・男女共同参画)
電話: 03-5253-2111,
こちらから送付できます: http://www.gender.go.jp/index.html

〒100-8914
東京都千代田区永田町 1-6-1
野田聖子消費者行政推進担当大臣
電話: 03-5253-2111,
こちらから送付できます: https://form.cao.go.jp/cao/opinion-0001.html

関連ニュース

その他の「性暴力ゲーム・児童ポルノ関連のニュース」こちらをご参照ください。

その他

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※「女性アクション33.1」は、上記「イクオリティ・ナウ」によるものであり、APPのアクションではありません。しかし、同会にAPPメンバーが参加している事からAPPのホームページ上に和訳文を「レイプレイ問題」に対するアクションのページとして設けることになりました。

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