ポルノ・買春問題研究会
論文資料集10
2010年度の論文資料集10号。詳細はこちらより
 
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20世紀最後の10年は、女性の人権という視点から見るなら、非常に矛盾に満ちた10年間でした。一方では、1995年に北京で開かれた国連世界女性会議が大きな成功をおさめ、重要な諸文書が採択されたこと、日本および世界でセクシュアル・ハラスメントに対する認識が深まり、多くの裁判で被害女性が勝利を収めたこと、日本で男女共同参画社会基本法児童買春・児童ポルノ禁止法が成立したことなど、社会的認識の面でも法制の面でも多くの前進が見られました(2001年には、日本でもようやくDV防止法が制定されました)。

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しかし他方では、性的リベラリズム、セックスワーク論にもとづくイデオロギーが蔓延し、ポルノグラフィも買売春も、当事者が合意の上で行なっているのだから、それは何ら問題はないし、女性差別でも、女性の人権侵害でもないという言説が横行しています。また、日常生活やメディアにおいて、女性を性的に利用・搾取する機会が大幅に増大し、コマーシャルや広告やコンビニエンスストア、そしてビデオ、DVD、インターネット、ケーブルテレビの世界などで、日常的にポルノグラフィックな映像や素材があふれかえっています。新しい通信・コミュニケーション技術は常にポルノグラフィの新しい手段と機会を提供し、日常的な女性の性的客体化をいっそう押し進めています。また、携帯電話の爆発的普及は、買売春をより手軽に行なうことを可能とし、日本の買売春社会化をいっそう深刻にしています。さらに、子供に対する性的虐待の報告、教師による性犯罪の報告、強制わいせつ件数は年々、急速に増大しています。

以上のような状況のもと、これまでの運動とその成果をふまえ、それをいっそう発展させつつ、女性を取り巻く深刻な現状を批判的に検討し、女性の性的自由と性的平等を推進するための理論的・分析的作業を行なうことが、いま切実に求められていると言えるでしょう。とりわけ、当事者の「合意」のもと自由な行為として行なわれているとされているポルノグラフィと買売春の実態を調査し、それを批判的に把握し、ポルノグラフィと買売春を社会的に克服するための理論的・実践的方向性を提示することは、独自の意義を有しています。なぜなら、性暴力やセクハラは本人の同意を得ていないから問題であるが、ポルノグラフィと買売春は本人の同意にもとづいているので問題ではないという言説ないしイデオロギーが、今日の新自由主義的な社会状況の中でますます影響力を持つようになってきているからです。

APPとは

「ポルノ・買春問題研究会(略称 APP研)」は、以上のような問題意識にもとづいて、各分野の専門家および運動家が集まって、1999年12月に結成されました。本会は、その活動の第一弾として、2000年2月に『論文・資料集』第1号を発行し、その中で会員の論文を掲載するとともに、ポルノグラフィ問題に関する重要な英語文献を翻訳し、また、この問題にかかわる新聞記事を資料として収録しました。

続いて本会は、活動の第2弾として、東京女性財団の助成事業である「暴力的アダルトビデオにおける女性の人権侵害の調査・研究」に取り組むことにしました。この事業は、バクシーシ山下や平野勝之などのAV監督による暴力的アダルトビデオを具体的に分析し、その中で出演女性に何が行なわれ、女性がどのように描き出され、それを視聴することでどのような効果がもたらされるのかを明らかにしようするものです。

この事業の決算と報告を兼ねて、2001年5月20日に「映像と暴力――アダルトビデオと人権をめぐって」と題した報告集会をウイメンズプラザで開催しました。この報告集会には80名以上の方が参加され、大きく成功させることができました。また、この集会当日には、同名の報告集(『論文・報告集』第2号)を発行し、その報告集には、各メンバーの分析と報告を掲載するとともに、アダルトビデオに男優として実際に参加していた方のインタビュー、マッキノンとドウォーキンの『ポルノグラフィと公民権』の翻訳などを収録しました。

現在のAPPの活動


2 現在、本会は、アダルトビデオの制作過程における人権侵害、アダルトビデオを原因とする性暴力の実態、各国におけるポルノグラフィ規制の実態、日本における法規制の可能性などについて、引き続き研究調査を行なっています。とりわけ、2002年5月から、婦人相談員、女性弁護士、フェミニスト・カウンセラーなどを対象に、ポルノグラフィの被害に関する相談を受けたことがあるかどうか、受けたとすればそれはどのようなものか、などに関する全国的なアンケート調査を実施しています。

詳しくはこちら。。。


また、日常的な意見交換と情報提供の手段として、一般向けメーリングリストを運用しています。(2002/6/20)

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